こんにちは。
住まいのコンシェルジュ杉野です。
前回、民法改正のお話を書きました。
今回はその民法改正についての研修を受けてきましたので、改正内容について、少し噛み砕いてお話しようと思います。
賃貸編、ということで、今回は賃貸の改正内容についてです。
不動産取引と書くと少々大げさですが、皆様もアパートやマンションを借りる際に、「賃貸借契約」を結んだご経験が一度や二度はあるかと思います。
賃貸アパートを借りるときに、不動産会社の方から「保証人をつけてください」と言われた経験はありませんか?
保証人をつけるというのは賃貸人(アパートオーナー)と保証人との間で結ぶ、「保証契約」です。
賃貸借契約とは別物なのですが、実務的には賃貸の契約書に保証人欄を設けて、賃貸借契約時に一緒に結んでしまうことがほとんどです。
当然、保証人となる以上は賃借人(アパートを借りる本人)の家賃債務もろもろを保証しないといけませんが、この金額が数万円から場合によっては数約万円と、巨額になることもあります。
滞納分の家賃を支払うのはもちろん、部屋の修繕費用が必要な場合にはその金額までも保証の範囲に入っているからです。
改正されたのはこの、いったいいくらになるのかわからない保証の範囲に、上限を定めましょうという点です。
上限が定まっていれば、最大でいくらまで保証しなければならないか、具体的にイメージできますよね。
例えば保証の範囲が100万円となっていれば、最大100万円まで保証してください、ということです。
超えた部分については保証する必要がありません。
このように具体的な金額が提示されることで、自分はいくらの保証人になった、という自覚が芽生える効果もあるでしょう。
中には連帯保証人であるにも関わらず、本人に直接請求しろ!と電話しただけで怒り出す人もいるくらいですから。
「根保証」という名前で、来年4月以降の賃貸借契約書に登場してくることと思います。
ところで、そもそも保証人との間でトラブルが生じるのは、保証契約についての説明がきちんと行われていないのが原因なのではないかと思います。
賃借人には重要事項説明と言って、契約前に対面で契約内容等について説明を行う義務がありますが、保証人との間ではありません。
さらに、保証人は遠方に住んでいて、署名・捺印を郵送で行うこともしばしばあります。
自分が何の保証をするのか形では理解していても、詳細な内容まで確認している人は少ないのではないでしょうか。
その点については不動産会社の担当者がよくよく理解していただくような説明をしないといけませんから、私もこの機会により丁寧な説明を心がけたいと思います。
改正内容については他にもたくさんありますので、随時更新していきます。
それでは本日はこれまで。
次回も読んでいただけると幸いです。